
BtoB向けの記事を増やしても、検索流入や問い合わせが伸びず、「まだ本数が足りないのか」と迷う企業は少なくありません。
成果を左右するのは記事数だけではなく、狙う検索キーワードの幅と、問い合わせまでの受け皿です。検索されるテーマがあっても、比較ページや資料請求の導線がなければ商談にはつながりません。
この記事では、SEOが向く商材の判断条件、検索キーワードの分け方、問い合わせ導線、成果を確認する指標を解説します。当社が支援した194社と、自社メディア289本の実測値も判断材料として紹介します。
BtoBの検索で実際に順位が付いた業種別キーワード例
法人向けの検索キーワードで納品した実績は25社・563件です。自社に近い業種を見ると、どの程度まで具体的な言葉を狙うべきか判断できます。
- 法人向け通信・IT(5社):「業務用 Wi-Fi 選び方」「店舗 WiFi 工事不要」「生成AI RAG 仕組み」
- 経営・集客の支援(5社):「工場 電気代 削減」「飲食店 利益率 上げるには」
- 製造・産業資材(4社):「ステンレス 流し台 学校」「防虫ネット 目合い 選び方」「仮設トイレ 臭い クレーム」
- 人材紹介・採用支援(3社):「特定技能 紹介会社 選び方」「フリーランス エンジニア 副業」
- 士業・法務(3社):「◯◯ 建物滅失登記 土地家屋調査士」「助成金 社労士 中小企業」
出典:当社が納品した検索キーワードと支援先サイトの検索結果を突き合わせた集計(2026年9月16日時点)。法人向け563件・25社のうち、3社以上を支援している業種を掲載。地域名は◯◯に置換。
上位表示したのは、顧客が困っている状態や探している条件を表す言葉です。業種が違っても、検索キーワードを作る考え方は共通します。
\AI任せにしないSEO記事制作/
BtoB業界のSEOに取り組むべきかを判断する3つの条件
BtoB業界でSEOに取り組むかどうかは、次の3つの条件のうち2つ以上に当てはまるかで判断できます。BtoBはBtoCより検索する人の数が少ないため、「とりあえず記事を出す」という始め方では費用に見合いません。先に自社の商材が検索と噛み合うかを確かめたほうが、投じる費用の判断が早くなります。
| 条件 | 当てはまる状態 | 当てはまらない状態 |
|---|---|---|
| 顧客が検索する言葉がある | 課題名・工法名・部品名で月に数十回以上検索されている | 自社の造語やサービス名しか検索されていない |
| 検討期間が長い | 初回接触から受注まで1か月以上かかる | その場で即決される |
| 問い合わせ以外の受け皿がある | 資料請求・事例集・無料診断などを用意できる | 問い合わせフォームしかない |
3つのうち2つ以上が当てはまるなら、SEOは費用に見合う施策になります。1つ以下の場合は、広告や展示会で先に接点を作ったほうが成果が早く出ます。以下で条件ごとに判断の材料を示します。
顧客が検索する言葉があるか
自社のサービス名ではなく、顧客が困っている状態を表す言葉が検索されているかを確認します。BtoBでは、買う側が自社の商材カテゴリの名前を知らないまま探していることが多いためです。
たとえば生産管理システムを売っている場合、顧客は「生産管理システム」ではなく「工程表 エクセル 限界」「在庫 棚卸 時間がかかる」といった言葉で調べています。確認するときは、次の3種類に分けて検索されている言葉を集めます。
- 課題を表す言葉(◯◯ 時間がかかる、◯◯ ミスが多い)
- 方法を探す言葉(◯◯ やり方、◯◯ 効率化)
- 商材カテゴリの言葉(◯◯システム、◯◯サービス)
3種類のうち課題と方法の言葉が集まるなら、記事で接点を作れます。商材カテゴリの言葉しか見つからない場合は、検索する人の数自体が少ない可能性が高く、次の条件も併せて見る必要があります。
検討期間が長い商材か
検討期間が長い商材ほど、SEOの効果が出やすくなります。検討が長い商材では、買う側が社内で説明するための情報を集める時間があり、その間に何度も検索するためです。
逆に、価格と納期だけで即決される商材では、検索した瞬間に上位にあるかどうかで決まります。この場合は記事よりも、サービスページと広告を整えるほうが効きます。自社の商材がどちらかは、受注した案件の初回接触日と契約日の差を数件分並べれば判断できます。
- 1か月以上かかる案件が半数以上 → 記事で接点を作る価値がある
- 2週間以内に決まる案件が半数以上 → サービスページと広告を優先する
差が1か月以上ある商材なら、検討の途中で読まれる記事を用意する意味があります。社内で稟議を通すための資料として記事が使われる場面もあり、記事そのものが商談を進める材料になります。
問い合わせ以外の受け皿があるか
問い合わせフォームしかないBtoBホームページでは、記事を読んだ人の大半が何もせずに離れます。記事を読んでいる段階では、まだ社内で予算も決まっていないことが多く、営業担当者と話す準備ができていないためです。
そのため、問い合わせの手前に置ける受け皿を用意できるかが判断の分かれ目になります。用意しやすいものから順に並べると次のようになります。
| 受け皿 | 用意する手間 | 向いている読者 |
|---|---|---|
| サービス資料のダウンロード | 既存の営業資料を転用できる | 社内で共有したい担当者 |
| 導入事例集 | 既存顧客への確認が必要 | 似た業種の事例を探している担当者 |
| 料金表・見積りシミュレーション | 価格の出し方を整える必要がある | 予算を確認したい決裁者 |
どれか1つでも用意できれば、記事からの接点が残ります。3つすべてをそろえる必要はなく、営業資料を転用したダウンロードから始めるのが現実的です。
BtoB業界でSEOが向かない商材の特徴
BtoB業界でも、SEOが向かない商材があります。先に向かない型を知っておくと、合わない商材に費用を投じずに済みます。当社が記事制作を支援してきた中で、成果が出にくい商材は次の3つに分かれます。
- 取引先の指名で決まる商材
- 対象企業が数十社しかない商材
- 価格だけで選ばれる商材
いずれも、検索している人がそもそも少ないか、検索しても比較の対象にならない商材です。以下でそれぞれの見極め方を説明します。
指名で決まる商材は検索の前に勝負が終わっている
既存の取引関係や紹介で決まる商材では、検索結果に出ても比較の対象になりません。買う側が「どこに頼むか」を検索する前に決めているためです。
この型に当てはまるかは、直近の受注経路を数えれば分かります。過去1年の受注を経路ごとに分けて、割合を見ます。
- 紹介と既存取引で8割以上 → 検索から入ってくる案件がもともと少ない市場
- 検索・問い合わせフォーム経由が2割以上 → 検索で取れる余地がある
- 広告経由が多い → 広告で拾えている言葉を記事に転用できる
紹介と既存取引で8割以上を占めている場合、記事を増やしても受注経路は変わりません。ただし、紹介で名前を聞いた相手が社名で検索して会社を確かめる動きはあります。この場合に必要なのは記事ではなく、会社情報と実績を整えたサービスページです。
対象企業が数十社の商材は検索数が足りない
買う可能性のある企業が全国で数十社しかない商材では、検索数が成果に届きません。仮に検索結果で1位を取っても、月に数回しか検索されない言葉では接点が生まれないためです。
たとえば特定の大型設備向けの保守部品のように、使う企業が限られる商材が該当します。この場合は、検索ではなく直接の接触が効きます。
- 企業名を特定できるなら、個別の提案と訪問に切り替える
- 業界団体の名簿や展示会の出展者リストから接点を作る
- ホームページは「調べられたときに信頼を確かめる場所」と割り切る
対象が数十社なら、1社ずつ当たるほうが早く成果につながります。ホームページは接触後に確認される場所として整えておけば十分です。
価格だけで選ばれる商材は上位表示でも比較で負ける
価格の安さだけで選ばれる商材では、上位表示できても価格表を見られた時点で離脱します。記事は検討の材料を増やす施策であり、価格そのものを変える施策ではないためです。
この型では、記事に投じる前に価格以外の判断材料を作る必要があります。自社で用意できる比較軸には次のようなものがあります。
- 納期(短納期にどこまで対応できるか、繁忙期の実績)
- 対応範囲(小ロット、特殊仕様、設計から対応できるか)
- トラブル時の対応(不具合が出たときの窓口と期限)
- 取引の条件(最小ロット、支払い条件、在庫の持ち方)
このうち1つでも他社と差が付く軸があれば、記事で伝える内容が生まれます。比較軸を作れないうちは、SEOに取り組んでも問い合わせの質が上がりません。
BtoB向けSEOで狙う検索キーワードの決め方

BtoB向けSEOの成果は、記事の本数ではなく、拾える検索キーワードの幅で決まります。当社が記事制作を支援した194社の実測では、1記事あたりの指名検索を除いたクリック数と各指標の関係は次のとおりでした。
調査全体の条件と、本数をそろえても流入差が生まれた理由は、194社の実測で調べたSEO記事本数と成果の関係で詳しく公開しています。
| 指標 | 1記事あたりのクリック数との関係 |
|---|---|
| 検索結果に表示された検索キーワードの数 | +0.784(強い関係がある) |
| ページ数 | +0.505(関係がある) |
| 月の契約記事数 | −0.169(ほぼ関係がない) |
出典:当社が記事制作を支援した194社の実測(2026年10月7日集計)。
月に何本納品しているかは、成果とほぼ関係がありませんでした。本数を増やす前に、どの検索キーワードを拾う記事にするかを決めるほうが効きます。以下で、BtoB向けの分け方を3つの切り口で説明します。
検討段階で3つに分ける
BtoB向けの検索キーワードは、情報収集・比較検討・導入判断の3段階に分けて選びます。段階ごとに読者が知りたいことと、取れる次の行動が変わるためです。
段階を混ぜて1本の記事に詰め込むと、どの段階の読者にも物足りない記事になります。分け方の目安は次のとおりです。
| 段階 | 検索キーワードの形 | 記事で用意するもの |
|---|---|---|
| 情報収集 | ◯◯とは、◯◯ 方法、◯◯ 効率化 | 課題の整理と選択肢の全体像 |
| 比較検討 | ◯◯ 費用、◯◯ 選び方、◯◯ 違い | 判断軸と費用の目安 |
| 導入判断 | ◯◯ 導入 流れ、◯◯ 失敗 | 進め方と注意点、事例 |
3段階のうち、最初に作るのは比較検討の記事です。情報収集の段階より検索する人の数は少ないものの、問い合わせまでの距離が近く、少ない本数でも成果を確かめられます。
担当者と決裁者で検索キーワードが変わる
BtoBでは、調べる人と決める人が別なため、同じ商材でも検索キーワードが2系統に分かれます。担当者は作業をどう進めるかを調べ、決裁者は投資に見合うかを調べるためです。
どちらの系統も必要ですが、記事は分けて作ります。混ぜると、現場向けの手順の説明に投資判断の話が混ざり、どちらの読者にも読みにくくなります。
- 担当者が調べる言葉:やり方、手順、ツール比較、エクセル 代替
- 決裁者が調べる言葉:費用、相場、導入効果、補助金、失敗
担当者向けの記事は読まれる数が多く、決裁者向けの記事は問い合わせにつながりやすい傾向があります。担当者向けの記事から決裁者向けの記事へ内部リンクでつなぐと、社内で共有されたときに両方が読まれます。
記事の本数より検索キーワードの幅で成果が決まる
同じ本数を納品しても、拾える検索キーワードの幅によって成果は数十倍の差になります。194社の実測で、累計の納品本数をそろえて比較した結果が次のとおりです。
| 累計の納品本数 | 検索キーワードが狭い側 | 検索キーワードが広い側 |
|---|---|---|
| 13〜24本 | クリック数 1.0 | クリック数 73.0 |
| 25〜40本 | クリック数 6.0 | クリック数 521.0 |
出典:当社が記事制作を支援した194社の実測(2026年10月7日集計)。中央値です。
13〜24本の段階で73倍、25〜40本の段階で87倍の差がありました。さらに、検索結果に表示された検索キーワードの数ごとにクリック数を並べると、段階的に伸びています。
| 表示された検索キーワードの数 | 社数 | クリック数の中央値 |
|---|---|---|
| 〜100 | 71社 | 2 |
| 100〜300 | 52社 | 20 |
| 300〜700 | 23社 | 110 |
| 700〜1,500 | 22社 | 371 |
| 1,500〜 | 23社 | 2,331 |
出典:当社が記事制作を支援した194社の実測(2026年10月7日集計)。
目指すのは本数ではなく、300以上の検索キーワードで表示される状態です。1本の記事が複数の検索キーワードを拾うため、狙いを広く取った記事を少数作るほうが先に成果が出ます。
BtoB向けSEOで作るページの役割分担
BtoBホームページでは、記事とサービスページの役割を分けたうえで、間に比較と料金のページを置きます。記事だけを増やしても、読んだ人が次に見るページがなければ問い合わせに届かないためです。
役割を整理すると、BtoBホームページで必要なページは次の4種類に分かれます。
| ページ | 役割 | 読者の状態 |
|---|---|---|
| 記事 | 課題の整理と方法の説明 | 何を選べばよいか分からない |
| 比較・選び方ページ | 判断軸を示す | 複数社を並べて見ている |
| 料金ページ | 予算の見当をつける | 社内で予算を確認している |
| サービスページ | 自社に頼む理由を示す | 依頼先を決めかけている |
4種類のうち足りないページがあると、そこで検討が止まります。以下で、特に抜けやすい3点を説明します。
サービスページと記事の役割を分ける
サービスページで検索を取ろうとせず、検索の受け皿は記事に任せます。サービスページは自社の売り方を説明する場所であり、読者の課題の言葉で書きにくいためです。
サービスページに課題の説明を詰め込むと、ページが長くなるうえに、肝心の対応範囲や料金が下へ押し下げられます。書く内容は次のように分けます。
| 書く内容 | 記事 | サービスページ |
|---|---|---|
| 顧客の課題と背景 | 詳しく書く | 1〜2文で触れる |
| 方法の選択肢 | 他の方法も含めて書く | 自社の方法だけ |
| 対応範囲と条件 | 一般的な目安だけ | 具体的に明記する |
| 料金 | 相場の目安 | 自社の金額 |
記事で課題を説明し、サービスページでは対応範囲と条件を明確にする形に分けると、両方が機能します。同じ内容を両方に書くと、検索結果でどちらを出すかをGoogle側が選べず、どちらの順位も上がりにくくなります。
記事以外の施策も含めたBtoBのコンテンツ全体の組み立て方は、BtoBコンテンツマーケティングの戦略と実践法で整理しています。
比較・料金ページを記事より先に整える
記事を増やす前に、比較と料金のページを先に整えます。記事を読んだ人が最初に探すのが、判断軸と価格の目安だからです。
料金を公開できない商材でも、価格の手がかりは示せます。次のような形なら、総額を出さずに予算の見当をつけてもらえます。
- 最小構成の金額と、何が含まれるか
- 過去の案件の価格帯の分布(◯◯万円台が何件)
- 価格が変わる条件(数量、納期、対応範囲)
価格の手がかりがあるだけで、予算が合わない問い合わせが減り、商談の密度が上がります。「要問い合わせ」だけの表記は、読者にとって比較できない状態を意味します。
資料請求と問い合わせを出し分ける
記事から誘導するのは問い合わせではなく、資料請求やサービスページにします。記事を読んでいる段階では、営業担当者と話す準備ができていないためです。
出し分けの基準は、記事が扱う検討段階に合わせます。
| 記事の段階 | 置くリンク |
|---|---|
| 情報収集 | サービスページ・関連記事 |
| 比較検討 | 資料ダウンロード・料金ページ |
| 導入判断 | 無料相談・問い合わせ |
段階に合わないリンクを置くと、押されないまま離脱します。情報収集の記事に「お問い合わせはこちら」だけを置いている状態は、受け皿がないのと同じです。
BtoBホームページで問い合わせまでの導線を設計する手順

記事から問い合わせまでの導線は、記事 → サービスページ → 資料請求 → 問い合わせの順で設計します。BtoBでは検討に関わる人が複数いるため、途中で情報を持ち帰れる地点が必要になるからです。
手順にすると次の4段階です。
- 記事の本文中に、サービスページへのリンクを文脈に沿って置く
- サービスページの上部に対応範囲と料金の目安を置く
- 資料ダウンロードを中間地点として用意する
- ダウンロード後に相談の案内を出す
この順番にすると、まだ話す準備ができていない読者も接点を残せます。以下で、押さえるべき3点を説明します。
記事からサービスページへ送る位置を決める
リンクは記事の末尾ではなく、本文中で説明が終わった直後に置きます。読者が「自社でもできるか」を考えた瞬間が、サービスを見る動機が最も高い地点だからです。
置く位置の目安は次の3か所です。
- 手順や作業量を説明した章の終わり(自社でやる負荷が分かった直後)
- 費用の章の直後(予算の見当がついた直後)
- まとめの直後(読み終えて次の行動を探している地点)
作業の多さを理解した直後に外注という選択肢が出てくると、自然に読まれます。逆に、記事の冒頭に強い問い合わせの導線を置くと、内容を読む前に離脱します。冒頭に置くのは、サービスの内容を見に行ける軽いリンクにとどめます。
資料請求を中間地点に置く
資料請求は、問い合わせの手前に置く中間地点として設計します。社内で共有するための材料が必要な担当者にとって、資料は持ち帰れる形の情報だからです。
資料に入れる内容は、記事の要約ではなく、社内で説明するときに必要な項目にそろえます。
- 対応範囲と、対応できない条件
- 料金の内訳と、追加費用が発生する場面
- 導入までの期間と、自社側で必要な作業
- 似た業種の事例
この4項目がそろっていると、担当者が社内で説明でき、検討が前に進みます。会社紹介だけの資料では、持ち帰っても使われません。
何位を取れば問い合わせにつながるか
導線を整えても、検索結果で10位以内に入らないとクリックがほとんど発生しません。当社が支援するホームページの実測では、順位帯ごとのクリック率に次の差がありました。
| 検索結果の順位 | クリック率 |
|---|---|
| 1位台 | 22.24% |
| 2位台 | 10.28% |
| 3位台 | 4.17% |
| 6〜10位 | 1.43% |
| 11〜20位 | 0.72% |
| 21〜30位 | 0.27% |
出典:当社が支援する1,298サイトの実測(2026年6月18日〜9月15日、表示451万回)。指名検索を含む数字です。
11位以下では、1,000回表示されてもクリックは7回程度にとどまります。まず10位以内、できれば3位以内を狙える検索キーワードを選ぶことが、導線設計の前提になります。競合が強い言葉を広く狙うより、条件を絞った言葉で上位を取るほうが問い合わせに届きます。
BtoB向けSEOで成果が出るまでの期間と見る指標

BtoB向けSEOは、記事が検索結果に出てから3か月で順位が落ち着き、問い合わせの数が動くのは半年以降になります。順位と問い合わせでは、動き始める時期が違うためです。
時期ごとに見る指標を変えないと、まだ結果が出ない段階で打ち切ってしまいます。以下で、自社と支援先の実測値をもとに時期ごとの目安を示します。
検索結果に出てから順位が落ち着くまで
記事が検索結果に出てから90日ほどで、順位はおおむね落ち着きます。当社が運営するメディアの記事289本を追った結果が次のとおりです。
| 検索結果に初めて表示された日からの経過 | 平均順位 |
|---|---|
| 〜30日 | 20.4位 |
| 31〜60日 | 12.6位 |
| 61〜90日 | 8.7位 |
出典:当社が運営するオウンドメディアの記事289本の実測(2026年10月7日集計)。起点は検索結果に初めて表示された日です。
289本のうち76.0%が最初の順位より上がり、10位以内に入るまでの日数は中央値で14日、90日以内に90.3%が到達していました。公開から1か月の時点で20位前後にいるのは、落ちているのではなく通常の推移です。この段階で記事を書き換えると、評価が固まる前にやり直すことになります。
続けた期間と成果の関係
問い合わせにつながる規模のクリック数が出るのは、おおむね13か月目以降です。194社を継続した月数で分けると、次のように差が出ました。
| 継続した月数 | 社数 | クリック数の中央値 |
|---|---|---|
| 〜6か月 | 45社 | 8 |
| 7〜12か月 | 76社 | 14 |
| 13〜18か月 | 42社 | 52 |
| 19か月〜 | 28社 | 209 |
出典:当社が記事制作を支援した194社の実測(2026年10月7日集計)。
6か月目までの中央値は8クリックで、ここで判断すると「効果がない」という結論になります。13か月目以降に伸びが大きくなるのは、記事が拾う検索キーワードが積み上がるためです。最低契約期間が設けられているのは、規定というより、この特性によるものです。
時期ごとに見る指標を切り替える
最初の3か月は順位と表示回数、半年以降はクリック数と問い合わせ数を見ます。問い合わせ数は母数が小さく、月ごとの振れ幅が大きいためです。
時期ごとの優先順は次のようになります。
| 時期 | 最優先で見る指標 | まだ見なくてよい指標 |
|---|---|---|
| 〜3か月 | 表示された検索キーワードの数、順位 | 問い合わせ数 |
| 4〜6か月 | 10位以内の検索キーワードの数、クリック数 | 売上への寄与 |
| 7か月〜 | クリック数、問い合わせ数、商談化率 | 記事の本数 |
最初の3か月に問い合わせ数で判断すると、ほぼ確実に打ち切る結論になります。表示される検索キーワードの数が増えているかどうかが、この時期の判断材料です。
BtoB業界のSEOでよくある失敗
BtoB向けSEOで成果が止まる原因は、記事の質よりも進め方の型に偏っています。当社が途中から引き継いだホームページで繰り返し見られるのは次の3つです。
- 業界を限定しない一般論の記事を増やす
- 指名検索を含んだ数字で成果を判断する
- 担当者の交代で更新が止まる
いずれも、記事を書く前の設計と、運用の決め方で避けられます。以下で順に説明します。
一般論の記事を増やしてしまう
「SEOとは」「マーケティングとは」といった一般論の記事は、BtoB企業のホームページでは成果につながりません。検索する人の数は多いものの、自社の商材を買う可能性のある人がほとんど含まれないためです。
一般論の記事が増えるのは、検索数の多い言葉から順に選んでいるときに起こります。避けるには、記事の案を出す段階で「この記事を読んだ人が自社の顧客になりうるか」を確認します。対象が広すぎる言葉は、業種や課題の条件を足して絞ります。
- 「業務効率化 ツール」→「製造業 工程管理 効率化」
- 「マーケティング 手法」→「BtoB 展示会後 フォロー 方法」
条件を足すと検索数は下がりますが、問い合わせにつながる割合が上がります。成果は検索キーワードの幅で決まるため、絞った言葉を数で積むほうが効きます。
Googleも、検索エンジンではなく人の役に立つ信頼できるコンテンツを作ることを案内しています。誰に向けて何を解決する記事なのかが説明できない記事は、一般論に流れやすくなります。
指名検索の数字で成果を判断してしまう
社名やサービス名での検索を含めた数字で見ると、記事の成果を実際より高く見積もります。指名検索は営業活動や展示会で名前を知った人の行動であり、記事の成果ではないためです。
当社の実測では、1位台のクリック率に次の差がありました。
| 検索の種類 | 1位台のクリック率 |
|---|---|
| 社名・サービス名を含む検索 | 31.74% |
| 社名・サービス名を含まない検索 | 22.24% |
出典:当社が支援する1,298サイトの実測(2026年6月18日〜9月15日)。
指名検索のクリック率は1.4倍で、混ざった数字は全体を押し上げます。
記事の成果を見るときは、社名とサービス名を含む検索を除いた数字で比べます。除く前と除いた後の数字を並べると、記事で取れている分がはっきりします。
担当者が代わって更新が止まる
BtoBのSEOは成果が出るまでに1年以上かかるため、担当者の交代で止まるリスクが最も高い施策です。引き継ぎのときに、何を狙って何本出したのかが残っていないことが原因です。
止めないために残すのは、記事の一覧ではなく判断の記録です。
- 狙った検索キーワードと、その理由
- 順位と表示回数の推移(月1回の記録)
- 書き換えた記事と、書き換えた理由
この3点が残っていれば、担当者が代わっても続きから進められます。記事の本数だけを引き継ぐと、次の担当者は同じ検討をやり直すことになります。
BtoB企業向けSEO記事制作を支援した実績
当社は、SEO記事制作の支援を700社を超える企業に提供しています。ここまで説明した設計は、支援先のデータと自社メディアの運営から確かめたものです。
公開している実績は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援社数 | 700社超 |
| 自社メディアでの実績 | PVが5倍、上位表示キーワード283個 |
| 記事の価格 | 1記事4,980円(税別)から、月2本から |
| 記事の長さ | 8,000〜12,000字 |
出典:当社スマートSEOのサービスページに掲載している実績。
この記事で示した194社と289本の実測値も、支援の過程で集計したものです。記事の本数ではなく検索キーワードの幅で成果が決まるという判断は、支援先の実績を横断して確かめたうえで、キーワード設計の基準にしています。
納品する記事の中身は、スマートSEO(SEO記事制作代行)のサービスページで全文を公開しています。構成や数値の扱い方を確かめたうえで判断いただけます。
\月9,960円~プロのSEO対策/
BtoB向けSEO記事を外注するときの費用と進め方
BtoB向けのSEO記事を外注するかどうかは、月に何本を安定して出せるかで決まります。記事の質より、止まらずに続けられるかが成果を左右するためです。
自社で書く場合と外注する場合の違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | 自社で書く | 外注する |
|---|---|---|
| 費用 | 担当者の人件費 | 1記事あたり数千円〜数万円 |
| 専門性 | 自社の知見を直接書ける | ヒアリングで補う必要がある |
| 継続性 | 繁忙期に止まりやすい | 本数が安定する |
専門性の高いBtoB商材では、構成と専門部分の確認を自社が持ち、執筆と調査を外注する形が現実的です。以下で分かれ目と流れを説明します。
自社運用と外注の分かれ目
月に2本を6か月続けられないなら、外注したほうが成果に届きます。成果が見え始めるのは13か月目以降で、途中で止まると積み上がらないためです。
判断の目安は次の3点です。
- 記事を書く時間を月に20時間以上確保できるか
- 繁忙期でも本数を落とさずに出せるか
- 狙う検索キーワードを決める担当者がいるか
3つすべてを満たせるなら、自社で進めたほうが専門性が出ます。1つでも欠ける場合は、欠けている部分だけを外に出す形から始めると続きます。費用の相場と会社の選び方は、BtoB向け記事制作代行の費用相場と依頼の流れで詳しく整理しています。
社内に残す工程を決めるときは、SEO記事を内製する場合と外注する場合の判断基準も参考になります。
依頼から公開までの流れ
外注する場合も、狙う検索キーワードの決定には自社が関わります。どの顧客に届けたいかを判断できるのは自社だけだからです。
一般的な流れは次の4段階です。
- 商材と顧客像の共有(自社)
- 検索キーワードの設計と優先順の決定(外注先の提案と自社の確認)
- 構成案の確認(自社。専門用語と数値の正しさを見る)
- 原稿の確認と公開(自社)
このうち時間がかかるのは構成案の確認です。専門用語の使い方と数値の正しさは自社しか判断できないため、ここに時間を使うと後の修正が減ります。製造業では検索数の少なさと専門用語の扱いが加わるため、製造業向けSEOの進め方で業種特有の条件を別に整理しています。
BtoB業界のSEOでよくある質問
BtoB向けSEOの相談で繰り返し受ける質問をまとめます。検索でもよく調べられている内容から取り上げます。
BtoBのオウンドメディアで成果が出ないときは何を見ればよいですか
まず、表示されている検索キーワードの数を確認します。数が100未満で止まっている場合は、記事の本数ではなく狙う検索キーワードの幅が足りていません。数が300以上あるのにクリックが伸びない場合は、順位が11位以下に集まっている可能性が高く、既存記事の書き換えで10位以内を狙うほうが効きます。
検索キーワード、表示回数、クリック数、掲載順位は、Google公式のSearch Consoleの検索パフォーマンスレポートで確認できます。
SEOコンサルティングと記事制作代行は何が違いますか
コンサルティングは方針と改善点の提示が中心で、記事の執筆は含まないことが多い形です。記事制作代行は、検索キーワードの設計から原稿の納品までを担います。社内に書く人がいない場合は記事制作代行、方針だけ外部の目を入れたい場合はコンサルティングが合います。
ホームページのリニューアルとSEO記事はどちらを先にやるべきですか
サービスページと料金ページが整っていない場合は、リニューアルを先にします。記事で人が来ても、次に見るページがなければ問い合わせに届かないためです。逆に、サービスページがすでにある場合は記事を先に進めます。リニューアルは公開までに数か月かかるため、その間に記事の評価を積み上げられます。
BtoB向けのSEOにかかる費用はどのくらいですか
記事制作を外注する場合、1記事あたり数千円から数万円が目安です。当社のスマートSEOは1記事4,980円(税別)から、月2本から対応しています。このほかに、検索キーワードの設計や公開後の分析をどこまで含めるかで総額が変わります。
オウンドメディアを立ち上げないとBtoBのSEOはできませんか
別サイトを立ち上げる必要はありません。既存の企業ホームページ内にブログ階層を作る形でも進められます。別ドメインで立ち上げると評価が分散するため、企業ホームページ内に置くほうが先に順位が付きやすくなります。
検索から人を集めても、受け皿のホームページで候補から外れていれば問い合わせにはなりません。BtoB向けホームページ制作で問い合わせが来ない3つの理由でまとめています。
検索広告で先に問い合わせを作る場合は、BtoB業界の広告運用の始め方も参考になります。
まとめ:BtoB業界のSEOは自社が向いているかの判断から始めよう
BtoB業界のSEOは、記事を増やす前に、自社の商材が検索と噛み合うかを判断することから始めます。顧客が検索する言葉がある、検討期間が長い、問い合わせ以外の受け皿があるという3条件のうち2つ以上に当てはまるかが、入口の判断になります。
自社の業種が検索集客に向いているか迷う場合は、SEOに向いている業種の特徴と判断基準も確認すると、商材との相性を整理できます。
GoogleのSEOスターターガイドでも、検索エンジンだけでなくユーザーが見つけやすく、内容を判断しやすいホームページにする考え方が示されています。
取り組むと決めた後の要点を整理します。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 検索キーワードの設計 | 検討段階で3つに分け、比較検討から着手する |
| ページの整備 | 記事より先に比較・料金ページを整える |
| 導線 | 問い合わせの手前に資料請求を置く |
| 判断 | 最初の3か月は順位と表示、半年以降にクリックと問い合わせを見る |
成果は記事の本数ではなく、拾える検索キーワードの幅で決まります。194社の実測では、同じ納品本数でも検索キーワードの幅によって73〜87倍の差がありました。本数を増やす前に、どの検索キーワードを拾う記事にするかを決めてください。
自社で続けるのが難しい場合は、構成の確認を自社に残し、執筆と調査を外に出す形から始められます。
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