
介護事業所でホームページを作るとき、自分でも作成できるか、制作会社に依頼する際も何を掲載すれば伝えたい内容が伝わるのか迷う人は多くいます。無暗に載せたい情報を掲載しても、入居者に伝えたいメッセージは伝わらず、魅力的なホームページは完成しません。
介護事業所でホームページを制作する際は、3つの目的を分けて考え、掲載義務のある内容を把握しておくことが大切です。法令で掲載が決まっている情報と、家族が読みたい内容をバランスよく掲載してください。
この記事では、介護事業のホームページに必要な3つの目的と、掲載が義務になった情報からホームページ公開後の更新までを解説します。
介護・福祉の制作実績324件からの制作例も紹介するのでぜひ参考にしてください。
\無料でホームページ案を提案/
介護事業所のホームページは3つの目的で分けて考える

1つのホームページに、性質の違う3つの役割が入っています。混ぜたまま作ると、どれも中途半端になります。
法令で掲載が決まっている情報
介護サービスの事業者は、運営規程や重要事項を原則としてウェブサイトに掲載することになっています。期限があるのはこの部分です。
出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)。第三十二条の二などに「原則として、重要事項をウェブサイトに掲載しなければならない」と定められています。
この区分に入るのは次の情報です。
- 運営規程
- 重要事項
- 従業者の体制
ここは読ませるためではなく、置いてあることが求められる情報です。デザインを凝る場所ではありません。
詳しい中身は2章で扱います。
この情報が家族向けのページに混ざると、読み手は目的の情報にたどり着けません。逆に、義務の情報だけを整えても相談は増えません。
利用を検討している家族が読む情報
実際に探しているのは、本人ではなく家族であることが多くあります。親の施設を探す、退院後の通所先を決める、といった場面です。
家族が知りたいのは、1日の流れ、費用、送迎の範囲、空きがあるかどうかです。運営規程を読みに来ているわけではありません。
この層に向けた情報が、相談の数を決めます。
家族は複数の事業所を並べて比べます。同じ地域に何か所もある中で、中の様子が分かる事業所から見学に申し込みます。
応募を考えている人が読む情報
介護は人の採用が事業の制約になります。そのため、ホームページを作る目的が採用であることも珍しくありません。
応募者が見るのは、勤務時間、夜勤の有無、資格支援、職員の人数と年齢層です。家族向けの情報とは重なりません。
法人の考え方や沿革は、会社概要ページの書き方のとおり、別のページにまとめます。
3つを同じページに並べず、入口から分けます。どこで止まっているかの切り分けはホームページから問い合わせが来ない原因が参考になります。
介護のホームページに載せる義務がある情報

2025年度から、介護サービスの事業者は運営規程などの重要事項を原則としてウェブサイトに掲載することになりました。
根拠は指定基準の省令です。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索)に、重要事項をウェブサイトに掲載する旨が定められています。
運営規程に書かれていること
運営規程は、事業所の運営の基本を定めた規程です。掲示していた内容が、そのままウェブ掲載の対象になります。
含まれるのは次の項目です。
- 事業の目的と運営の方針
- 従業者の職種と員数
- 営業日と営業時間
- サービスの内容と利用料
- 通常の事業の実施地域
すでに紙で掲示しているものがあるなら、まずそれを載せます。新しく作る必要はありません。
PDFで置く方法もありますが、スマートフォンでは読みにくくなります。文字のページとして置くほうが、家族にも読める形になります。
重要事項として載せるもの
重要事項説明書で説明している内容も対象です。苦情の窓口、事故が起きたときの対応、個人情報の扱いなどが含まれます。
掲載するときに気をつけることは次の3つです。
- 利用者の氏名や個別の契約内容は載せない
- 載せるのは事業所としての取り決め
- 様式のまま載せず、読める形に整える
どこまで載せるか迷う場合は、指定権者である自治体に確認します。自治体によって求める範囲が違うことがあります。
介護サービス情報公表システムにも同じような情報を登録していますが、そちらに載せているからホームページは不要、とは限りません。どちらで対応するかも自治体に確認します。
参考:厚生労働省 介護サービス情報公表システム/介護・高齢者福祉。
置き場所を1か所に決める
義務の情報は、トップページから1回で行ける場所にまとめます。各ページに散らすと、更新のときに抜けが出ます。
「事業所情報」「運営規程」のような名前のページを作り、そこに運営規程と重要事項をまとめるのが分かりやすい形です。
家族向けのページとは分けます。読む人も目的も違うためです。
トップページのメニューに「事業所情報」を置き、そこから運営規程・重要事項・従業者の体制に進める形にすると、更新するときも1か所を見れば済みます。
介護のホームページで利用者と家族が見ている情報

相談の数を決めるのはこちらの情報です。家族は、自分の親が通う場面を想像できるかどうかで判断します。
1日の流れが分かる
通所なら、送迎の時間、入浴や食事の時間、レクリエーションの内容を時間順に書きます。入所なら、起床から就寝までの流れです。
文章で書くより、時刻と内容を並べた表のほうが読まれます。想像できることが、見学の申し込みにつながります。
写真があれば、その時間に何をしているかが伝わります。
| 時間 | 書く内容 |
|---|---|
| 午前 | 送迎の時間帯、到着後のバイタル測定、入浴 |
| 昼 | 食事の内容、きざみ食などの対応 |
| 午後 | レクリエーション、機能訓練、送迎 |
曜日によって内容が変わるなら、曜日ごとの表にします。毎日同じことをしている印象になると、通う意味が伝わりません。
費用の目安が分かる
介護保険の負担割合によって自己負担は変わりますが、目安すら書かれていないホームページが多くあります。
載せるのは、利用料の目安、食費や日用品費などの保険外の費用、負担割合による違いです。
正確な金額が出せなくても、「1割負担の場合の1回あたりの目安」まで書けば判断材料になります。
書いていないと、電話で聞くしかありません。その一手間で、別の事業所に流れます。金額に幅がある場合は、何で変わるかを1行添えます。
送迎の範囲と空き状況
家族が最初に確かめるのが、通えるかどうかです。送迎の範囲を市区町村名で書いておきます。
空き状況は、更新できる形にしておくと問い合わせが減ります。空きが無いときも、その旨と次の見込みを書くほうが親切です。
当社が記事制作を支援した高齢者施設と訪問介護・看護の4社では、納品した106キーワードのうち49キーワードで、10位以内に入るかクリックが発生していました。
出典:当社が記事制作を支援した高齢者施設・訪問介護・看護の4社へ納品した106キーワードの実測(2026年10月23日集計)。
事業形態ごとに書き分ける
デイサービス、訪問介護、居宅介護支援では、読む人の状況が違います。
| 事業形態 | 家族が最初に知りたいこと |
|---|---|
| 通所介護(デイサービス) | 1日の流れ、送迎の範囲、空き |
| 訪問介護 | 対応できる時間帯、来てもらえる地域 |
| 居宅介護支援 | 相談の進め方、ケアマネジャーの人数 |
複数の事業を行っている場合は、1ページにまとめず事業ごとにページを分けます。検索する言葉も違うためです。
地域名で見つけてもらう取り組みはローカルSEOで地域の検索順位を上げる方法で解説しています。
介護のホームページで見やすさを決める基準
介護のホームページは、読む人の年齢層が広いという特徴があります。見やすさは好みではなく、読めるかどうかで決めます。
文字の大きさと余白
本文の文字は小さくしません。高齢の家族が読む前提にします。
行の間隔を詰めすぎないこと、1行を長くしすぎないことも効きます。装飾を減らして、文字が読みやすいほうを選びます。
おしゃれに見せることと読めることは対立しません。写真と余白で印象を作り、本文は読める大きさにします。
背景に色を敷いて文字を白くする形は、明るさの差が小さいと読めなくなります。文字と背景の明るさの差をはっきり付けます。
写真で雰囲気を伝える
施設の中、職員の様子、行事の写真は、文章より早く伝わります。
当社が制作を支援しているホームページのトップページに載っている画像の枚数は次のとおりでした。
| 項目 | 枚数 |
|---|---|
| 中央値 | 18枚 |
| 平均 | 29.1枚 |
| 0枚のホームページの割合 | 0.8% |
出典:当社がSEOを支援しているホームページ1,942件の実測(2026年9月15日集計)。
中央値は18枚です。外観、中の様子、職員、行事を合わせれば届きます。利用者が写る写真は、本人と家族の同意を取ってから使います。
家族の声を載せる場合の見せ方はお客様の声を信頼につなげるデザインの選び方にまとめています。
スマートフォンでの見え方
家族は移動中や勤務先の休憩中に調べます。文字が小さい、電話番号がタップできない状態は、そのまま離脱になります。
確かめるのは、文字の大きさ、表のはみ出し、電話と問い合わせの押しやすさです。確認項目はホームページをスマートフォン対応にする確認項目にまとめています。
パソコンの画面だけで確認して公開すると、読みにくさに気づけません。
介護のホームページ制作にかかる費用と補助金
費用は作り方で変わります。公開して終わりではないため、毎月かかる分まで含めて比べます。
作り方ごとの費用の目安
大きく3つの作り方があります。
| 作り方 | 最初の費用 | 毎月の費用 |
|---|---|---|
| 自分で作る | 0円〜数万円 | 1,000円〜5,000円 |
| 制作会社に頼む | 30万円〜100万円超 | 1万円〜5万円 |
| 月額のサービスを使う | 0円〜数万円 | 1万円前後 |
介護は更新が続く業種です。空き状況や行事の更新を誰が行うかまで決めてから、作り方を選びます。相場の考え方はホームページ制作の費用相場で解説しています。
補助金を当てにしすぎない
自治体によっては、小規模事業者向けの補助金を使えることがあります。ただし申請から交付までに時間がかかります。
補助金が下りる前提で作り方を決めると、採択されなかったときに計画が止まります。補助金が無くても続けられる金額で組むほうが安全です。
最新の内容は、事業所のある自治体の商工担当窓口で確認します。介護向けではなく、小規模事業者向けの制度が対象になることが多くあります。
参考:ミラサポplus(中小企業庁)/IT導入補助金(独立行政法人中小企業基盤整備機構)。制度の名称・条件・公募の時期は年度で変わるため、申請前に公式の情報で確認してください。
申請には見積書や事業計画が要ります。制作会社に相談する段階で、補助金を使う予定があることを伝えておくと手戻りが減ります。
毎月かかるもの
公開した後も、固定でかかる費用があります。
- ドメインとサーバーの費用
- 更新の作業(自分で行うなら時間、頼むなら費用)
- 写真の追加や差し替え
義務の情報は変更のたびに直す必要があるため、更新の費用を見込んでおきます。
介護のホームページで採用の入口を分ける
介護では、採用を目的にホームページを作る事業所も多くあります。利用相談と採用を同じ導線に乗せると、どちらも薄くなります。
家族向けと応募者向けを混ぜない
トップページに「ご利用をお考えの方」「採用情報」の2つの入口を置き、そこから別のページに進む形にします。
同じページに両方を書くと、家族は求人を読み、応募者は利用料を読むことになります。どちらにとっても余計な情報です。
入口を分けるだけで、読む内容がそろいます。
応募者が確かめていること
求人票に書かれていない部分を、ホームページで確かめています。
- 勤務時間と夜勤の回数
- 職員の人数と年齢層
- 資格取得の支援があるか
- 入職後の流れ
写真で職員の様子が分かると、働く場面を想像できます。採用ページの作り方はかっこいい採用サイトの作り方が参考になります。
求人媒体に載せている内容をそのまま貼るだけでは、ほかの事業所との違いが出ません。1日の働き方と、入職した人が何に戸惑ったかまで書くと、応募前の不安が減ります。
応募の方法を1つに決める
電話、フォーム、求人媒体と入口が分かれていると、どこに来たか分からなくなります。
ホームページからの応募はフォームに集約し、そこに来た件数を数える形にします。
どの経路から応募が来ているかが分かると、求人媒体の費用も判断できます。
公開後に介護のホームページを更新する
介護のホームページは、作って終わりにできません。義務の情報は、変わったときに直す必要があります。
変わったら直すもの
運営規程、利用料、営業日、職員の体制は、変更のたびに反映します。
古い情報が残っていると、実地指導で指摘される可能性があります。掲示を直したときに、ホームページも直す流れにしておきます。
紙とウェブの2か所を同時に直すと決めておくだけで、抜けが減ります。
職員の入れ替わりが多い事業所では、体制の記載が古くなりがちです。年度の切り替わりに合わせて見直す日を決めておきます。
空き状況を更新する
空き状況は、家族が最も知りたい情報の1つです。
毎日更新できないなら、更新の頻度を明記します。「毎週月曜に更新」と書いてあれば、情報の鮮度が伝わります。
地図サービスの情報もあわせてそろえます。やり方はMEO対策の基礎とGoogleマップで成果を出すポイントで解説しています。
担当と頻度を決める
続けるために決めておくのは次の3つです。
- 誰が直すか(管理者か、事務か、制作会社か)
- いつ直すか(変更のたび、または毎月)
- 何を直すか(義務の情報、空き状況、行事)
記録の効率化とあわせて考える場合は、介護のAI活用で記録業務を効率化する方法も参考になります。
介護・福祉向けに制作したホームページの例
当社は介護・福祉向けのホームページを324件制作してきました。ここまで説明した構成を当てはめた例を3件紹介します。事業の形が違うと、並べる順番も変わります。
訪問看護の相談と採用を分けた例

利用相談と採用で入口を分け、それぞれ別のページに進む形にしています。
訪問の対応地域と時間帯を先に示し、採用側では働き方と職員の様子を見せています。読む人が違うため、写真の選び方も変えています。
1ページに両方を詰め込まないことで、どちらの情報も探しやすくなっています。
複数の事業をまとめた法人の例

事業ごとにページを分け、トップページから選べる形にしています。
通所、入所、相談でそれぞれ知りたいことが違うため、1ページにまとめず、事業の単位で分けています。法人としての理念は別のページに置いています。
事業が増えても、同じ形でページを足せる構成です。
デイサービスの1日を見せた例

1日の流れと施設の中の様子を前半に置いています。
家族が最初に知りたいのは、どんな場所でどう過ごすかです。時間順に並べることで、見学の前に雰囲気が伝わります。送迎の範囲も同じページに置いています。
写真の枚数を確保して、文章だけで説明しない形にしています。
\無料でホームページ案を提案/
作ったあと検索から見つけてもらう進め方は、介護のSEO対策の記事でまとめています。
介護施設のSEO対策は何から始める?54本の実測でわかった成果の出し方
介護のホームページ制作でよくある質問
ホームページを作るのは義務ですか
運営規程などの重要事項を原則としてウェブサイトに掲載することが求められています。自社のホームページを持つか、自治体の公表システムを使うかは状況によります。どの形で対応するかは、指定権者である自治体に確認してください。
補助金は使えますか
自治体の小規模事業者向けの補助金が使える場合があります。ただし採択の可否と時期が読めないため、補助金が無くても続けられる金額で組みます。
デザインはおしゃれにしたほうがよいですか
読めることが先です。読む人の年齢層が広いため、文字を小さくしないことを優先します。写真と余白で印象を作れば、読みやすさと両立できます。
利用者の写真は載せてよいですか
本人と家族の同意を取ってから使います。同意が取れない場合は、後ろ姿や手元など個人が特定できない写真にします。
採用のページは別に作るべきですか
同じホームページの中で入口を分ければ十分です。応募が多い事業所では、採用専用のページを独立させる形もあります。
まとめ:介護のホームページは義務と相談を分けて作ろう
介護事業所のホームページには、法令で掲載が決まっている情報、家族が読む情報、応募者が読む情報の3つが同居します。混ぜると、どれも伝わりません。
進める順番は次のとおりです。
- 3つの目的で入口を分ける
- 運営規程と重要事項の置き場所を1か所に決める
- 1日の流れ、費用の目安、送迎の範囲を書く
- 文字の大きさと写真で読めるようにする
- 更新の担当と頻度を決める
義務の対応は期限がありますが、相談を増やすのは家族向けの情報です。両方を1つのホームページで成立させる形にします。
\無料でホームページ案を提案/
