
士業事務所でホームページを作りたいが、制作会社のページばかりで何を載せればよいかが決まらない。実績や料金を書いてよいのかも分からず、広告の決まりが気になって手が止まっている。そんな状態で止まっている事務所は多くあります。
最初に決めるのは、デザインでも載せる項目でもありません。自分の資格で何が書けて、何が書けないかです。ここを確かめずに作ると、公開してから直すことになります。
この記事では、資格ごとに違う広告の決まり、費用と自作との分かれ目、取扱分野の絞り方、人柄と実績の見せ方、問い合わせを増やすポイントまでを解説します。
当社は士業の事務所にも20社以上ホームページを制作しています。ぜひ参考にしてください。
\制作費0円・月額9,800円から/
士業のホームページ制作は資格で書けることを確かめてから始める
士業のホームページには、ほかの業種には無い制約があります。資格ごとに広告の決まりが別々にあり、書けることの範囲が資格で変わります。作る前にここを確かめてください。
- 自分の資格の決まりで、書けないことを確かめる
- その範囲の中で、取扱分野と料金の出し方を決める
- 最初は3ページで公開し、相談内容ごとに足していく
この順番なら、公開してから書き直す手間がありません。
書けないことが資格ごとに違う
「士業には広告の決まりがある」とまとめられがちですが、決まりの出どころは資格ごとに別です。弁護士は日本弁護士連合会の規程、税理士は税理士会の会則・細則というように、根拠になる決まりも、禁じられている表現も一致しません。
自分の資格の会や連合会が出している指針を先に読んでください。ほかの資格の事務所のホームページを真似ると、自分の資格では書けない表現が混ざります。
- 弁護士:日本弁護士連合会の規程と指針
- 税理士:日本税理士会連合会と所属税理士会の会則・細則
- 行政書士・司法書士:それぞれの会則と会の指針
自分の資格の行を確かめてから、載せる文章を書き始めてください。
確かめる前に作ると直すことになる
公開してから指摘を受けると、文章だけでなく構成まで直すことになります。「No.1」「必ず勝てる」のような表現は、ページの軸にしてしまうと差し替えが効きません。
当社が士業の事務所に制作したホームページは20社を超えますが、作る前に資格と取扱分野を聞き取る形にしています。
特に料金と実績の書き方は、あとから直すと構成ごと変わります。この2つは最初に決めてください。
最初に作る3ページ
着手するのは、事務所の案内、取扱分野、問い合わせの3ページです。この3枚があれば、ホームページとして成立します。
- 1枚目:事務所の案内(資格・登録番号・所在地・代表の経歴)
- 2枚目:取扱分野(受ける相談の種類と料金の出し方)
- 3枚目:問い合わせ(相談の予約と、初回相談の条件)
相談内容ごとの個別ページは、この3枚ができてから1つずつ足します。
資格ごとに違う士業の広告規制とホームページで書けないこと

広告の決まりは、資格ごとに別の根拠から来ています。下の表は出どころの整理で、個別の判断ではありません。実際に書けるかどうかは、自分が所属する会の指針で確かめてください。
| 資格 | 決まりの主な出どころ | 特に注意する表現 |
|---|---|---|
| 弁護士 | 日本弁護士連合会の規程・指針 | 勝訴率、必ず勝てる、他の事務所との優劣 |
| 税理士 | 日本税理士会連合会と所属税理士会の会則・細則 | 節税額の保証、税務調査に必ず通る |
| 行政書士・司法書士 | 各会則と会の指針 | 許可の保証、確実に通る、最短◯日の断定 |
共通するのは、結果を保証する表現と、他の事務所を下げる表現です。この2つは、どの資格でも避けてください。
弁護士は日本弁護士連合会の規程を見る
弁護士の広告は、日本弁護士連合会の規程と指針が基準になります。東京弁護士会の弁護士業務広告の解説でも、事務所のホームページに氏名や所属弁護士会を表示する必要があると案内されています。勝訴率や解決率を数字で出すことは、条件の付け方によっては問題になります。
実績を出したい場合は、件数や取り扱ってきた分野といった、結果を約束しない形に置き換えてください。
分野を絞って「この相談を多く扱っている」と示すほうが、数字を出すより相談につながります。
税理士は税理士会の会則・細則を見る
税理士の広告は、日本税理士会連合会と所属税理士会の会則・細則が基準です。関東信越税理士会の税理士広告に関する公式FAQでも、虚偽・誤認を招く表現や比較広告などの制限事項が示されています。節税額を保証する表現や、税務調査の結果を約束する表現は避けます。
顧問料の目安や、対応できる業種・規模を書くほうが、読んでいる人の判断材料になります。
- 顧問料の目安(月額・決算料を分けて書く)
- 対応できる業種と、売上の規模
- 記帳代行まで含むかどうか
顧問先の業種が偏っている場合は、それを弱みではなく専門性として書いてください。
行政書士と司法書士は会則を見る
行政書士と司法書士は、それぞれの会則と会の指針が基準です。許可が下りることや登記が通ることを保証する表現は使えません。
参考資料:行政書士は日本行政書士会連合会の行政書士職務基本規則(PDF)、司法書士は日本司法書士会連合会の業務広告に関する規則・指針の案内を確認してください。
「最短◯日」のような期間の断定も、条件を書かずに出すと誤解を招きます。標準的な期間と、延びる条件をあわせて書いてください。
期間は、書類がそろってからの日数なのか、依頼を受けてからの日数なのかで変わります。どちらを指すかまで書いてください。
どの資格でも書けない表現
資格が違っても共通して避ける表現があります。作る前に、この3つを社内で共有してください。
- 結果を保証する表現(必ず・確実に・100%)
- 他の事務所と比べて優れているとする表現
- 根拠を示さない「No.1」「地域一番」
避けたぶんは、取扱分野の絞り込みと相談のしやすさで埋められます。
ここに挙げたのは出どころの整理です。実際の判断は、自分が所属する会の最新の指針で確かめてください。
士業のホームページ制作の費用と自作との分かれ目

ホームページ制作の費用は、作り方によって大きく変わります。一括で支払う形だと70万円前後が目安ですが、月額で払う形なら初期の負担を抑えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 0円(事務手数料5,000円・税別) |
| 月額 | 9,800円(税別)から。ページ数で3段階 |
| 公開までの期間 | 制作開始から2週間〜1か月半 |
相談内容ごとのページを足していく前提なら、途中でプランが切り替わる形のほうが向いています。
料金はページ数だけで決まる
サブスクWEB制作は、ページ数だけで料金が分かれます。事務所の案内・取扱分野・問い合わせの3枚なら、2〜6ページの範囲に収まります。
- 1ページ:月額9,800円(税別)
- 2〜6ページ:月額14,800円(税別)
- 7〜12ページ:月額19,800円(税別)
相談内容ごとの個別ページを足していくと7ページ以上になります。あとから増やせます。
自作で足りる場合と足りない場合
事務所の案内と連絡先だけでよいなら、自作のツールでも作れます。紹介が中心で、ホームページは名刺代わりという事務所はこれで足ります。
相談内容ごとにページを分け、検索から見つけてもらうつもりなら、自作は手間が増えます。ページを足すたびに構成を考え直すことになるためです。
- 名刺代わりで足りる:自作のツールで十分
- 相談内容ごとに増やしていく:最初から足せる形で作る
- 資格の決まりに不安がある:作る前に確かめられる相手に頼む
テンプレートを使う場合も、ほかの資格向けの文言が入っていないか確かめてください。
一括で払う場合との違いは、ホームページ制作の費用内訳の記事で解説しています。
公開までの流れ
制作開始から公開まで、2週間から1か月半が目安です。打ち合わせはオンラインで進むため、事務所を空ける必要はありません。
- 資格・登録番号・取扱分野を聞き取り、構成を決める
- 料金の出し方と相談の流れをそろえ、デザインを確認する
- 修正して公開する
公開後の修正や更新も、月額の中で対応します。
取扱分野を絞ってホームページに載せる項目を決める
書ける範囲が決まったら、次は何を載せるかです。士業のホームページで最も効くのは、取扱分野を絞ることです。全部できると書くと、どの相談の人にも自分向けだと思われません。
| 載せる項目 | 書くこと |
|---|---|
| 取扱分野 | 受ける相談を3つまでに絞り、それぞれ1ページにする |
| 料金の出し方 | 定額か時間制か。含まれるものと別にかかるもの |
| 相談の流れ | 問い合わせから着手までの手順と日数 |
3つに絞っても、相談が来てから別の依頼に広がることはよくあります。入口を狭くすることと、受ける仕事を狭めることは別です。
取扱分野を3つまでに絞る
扱える業務をすべて並べると、読んでいる人は自分の相談がどれに当たるか分かりません。いま最も受けたい相談を3つ選び、それぞれにページを作ってください。
選ぶ基準は、件数ではなく受けたい相談です。載せた分野の相談が増えるため、増やしたいものを選びます。
- いま最も受けたい相談を3つ選ぶ
- それぞれに1ページを作る
- 残りの業務は事務所の案内に一覧で置く
3つで回り始めてから、4つ目を足してください。
料金の出し方を決める
金額を出さない事務所は多いですが、読んでいる人は必ず気にします。定額にできる業務だけでも金額を出すと、問い合わせの前に判断できます。
- 定額にできる業務:金額を書き、含まれるものを1行添える
- 案件で変わる業務:目安の幅と、変わる条件を書く
- どちらも難しい業務:初回相談で見積もると書く
金額を出せない業務があっても構いません。出せるものから書いてください。
相談の流れを手順で見せる
士業への相談は、はじめての人ほど手順が分かりません。問い合わせたあと何が起きるかを、順番に書いてください。
日数の目安も添えると、急いでいる人が判断できます。延びる条件がある場合は、それも書いてください。
はじめて士業に相談する人は、何を持っていけばよいかも分かりません。必要な書類を手順の中に書いておくと、初回の相談が早く進みます。
事務所の情報は登録番号まで書く
資格者であることを確かめられる情報を、事務所の案内に置いてください。登録番号と所属する会は、調べる人が必ず見る項目です。
- 資格名と登録番号、所属する会
- 事務所の所在地と、相談を受ける場所
- 代表の経歴と、取扱分野に関わる実務の年数
画像ではなく文字で書いてください。画像だと検索に拾われません。
士業のホームページで人柄と実績をどう見せるか
士業に頼むかどうかは、最後は人で決まります。結果を保証できないぶん、どんな人が対応するかが判断材料になります。
- 顔写真:対応する本人のものを、事務所の案内と相談のページに置く
- 経歴:取扱分野に関わる実務の年数と、扱ってきた相談の種類
- お客様の声:掲載の許可を取り、個人が特定できない形にする
どれも、結果を約束する表現にしないことが前提です。
顔写真と経歴は別の役割
顔写真は「話しやすそうか」を伝え、経歴は「任せられるか」を伝えます。役割が違うので、どちらか一方では足りません。
写真は事務所で撮ったもので構いません。作り込んだ写真より、実際に会ったときと印象が近いほうが、相談の場で齟齬が起きません。
- 顔写真:対応する本人のものを使う
- 経歴:取扱分野に関わる実務の年数まで書く
- 資格を取った年だけでは、何を扱ってきたかが伝わらない
相談する側が知りたいのは、その相談をどれだけ扱ってきたかです。
解決した件数とお客様の声の書き方
件数を書くときは、期間と範囲を添えてください。「相続の相談を年間◯件」のように、何をいつ数えたかが分かる形にします。
- 件数は期間と分野をそろえて書く
- お客様の声は掲載の許可を取り、個人が特定できない形にする
- 結果を保証する言い回しは、声の中にあっても載せない
お客様の声は、依頼した理由と相談のしやすさに触れたものを選んでください。
士業のホームページ制作で問い合わせを増やすポイント

公開しただけでは相談は来ません。士業で効くのは、相談内容ごとにページを分けることです。探している人は資格名ではなく、自分の困りごとで検索します。
| 探している人の検索 | 送る先のページ |
|---|---|
| 相続 手続き 行政書士 | 相続のページ |
| 助成金 社労士 費用 | 助成金のページ |
| 会社設立 司法書士 ◯◯市 | 会社設立のページ |
出典:当社が顧客向けに納品した士業の記事16本の実測(5社・791表示・8クリック・問い合わせ4件。2026年10月30日集計)。問い合わせにつながったのは「相談内容+資格」の形の記事でした。この16本はSEOで納品した記事で、ホームページ制作の成果ではありません。
「税理士」だけで探す人より、「助成金を相談できる社労士」を探す人のほうが、相談まで進みます。
相談内容ごとにページを分ける
取扱分野のページを1枚にまとめると、どの相談の人にも中途半端な内容になります。相談の種類ごとにページを分け、その相談だけを書いてください。
分けたページには、その相談の料金・流れ・よくある質問を入れます。ほかの分野の説明は入れないでください。
当社が顧客向けに納品した士業の記事でも、問い合わせにつながったのは相談の種類を1つに絞ったものでした。
1ページ1相談にする
1つのページで複数の相談を扱うと、検索でも中途半端になります。相続と会社設立は、同じ資格でも別の人が探しています。
- 1ページにつき、扱う相談は1つだけにする
- ページの見出しに、相談の言葉をそのまま入れる
- 地域名は、3ページほど作って様子を見てから足す
最初から地域名を入れたページを量産しないでください。中身が同じページが増えると、どれも評価されなくなります。
地域名の扱いそのものは、ローカルSEOの記事で解説しています。
相談内容を選べる窓口にする
問い合わせフォームに「相談内容」の選択肢を置くと、届いた時点で内容が分かります。返信の準備も早くなります。
選択肢は、ページを分けた相談の種類とそろえてください。ページとフォームの言葉が違うと、選ぶ人が迷います。
- 選択肢は、ページを分けた相談の種類と同じ言葉にする
- 「その他」を1つ置き、自由に書ける欄を添える
- 入力項目は5つまでにする
項目が多いほど、送る前にやめる人が増えます。
電話とフォームの使い分け
急ぎの相談は電話、資料が要る相談はフォームと、入口を分けてください。どちらも置いたうえで、受付時間を書いておきます。
- 電話:受付時間と、出られないときの折り返しの目安
- フォーム:相談内容の選択肢と、資料を添付できる形
- 初回相談:無料か有料か、時間の目安を必ず書く
この3つがそろうと、相談する側が自分で入口を選べます。
初回相談の条件を書いていないと、問い合わせの前に止まります。
フォームの項目の決め方は、問い合わせフォームの記事でまとめています。
士業の事務所向けに制作したホームページの例
当社のサブスクWEB制作で作った、士業の事務所のホームページを3件紹介します。扱う相談が違うと、トップページの一番上に置くものが変わります。
在留資格と帰化に絞った行政書士事務所の例

在留資格の取得と帰化許可の申請に絞っている事務所です。取扱業務を2つに絞り、一番上に何を扱う事務所かを置いています。
韓国語で対応できることを合わせて示し、相談する側が自分向けかどうかを先に判断できる形です。
相談の種類でナビを分けた税理士事務所の例

税務顧問・税務調査と、相続・承継で入口を分けている事務所です。ナビそのものが相談の種類で分かれており、探している人が迷いません。
最寄り駅からの時間を一番上に置き、無料相談の予約へそのまま進める作りです。
相談のしやすさを前に出した司法書士事務所の例

相続と登記を扱う事務所です。「何から始めればいいの?という段階でも大丈夫です」と置き、はじめて相談する人に向けていることを先に伝えています。
料金案内をナビに出し、費用を気にする人がすぐ確かめられる形にしています。
同じ士業でも、扱う相談によって一番上に置くものが変わることが見て取れます。
\無料でホームページ案を提案/
士業のホームページ制作でよくある質問
テンプレートで作ってもよいですか
構いません。ただし、ほかの資格向けの文言がそのまま入っていないか確かめてください。結果を保証する表現が初期設定で入っていることがあります。
顔写真は必ず載せるべきですか
載せたほうが相談につながります。士業は最後に人で選ばれるためです。どうしても難しい場合は、経歴と取扱分野を厚くして補ってください。
料金は載せるべきですか
定額にできる業務だけでも載せてください。金額が無いと、問い合わせの前に比べられて候補から外れます。案件で変わる業務は、目安の幅と変わる条件を書けば十分です。
複数の資格を持っている場合はどう見せますか
資格を並べるのではなく、相談の種類でページを分けてください。読んでいる人は資格ではなく困りごとで探しています。資格は事務所の案内にまとめて書けば足ります。
紹介が中心でもホームページは必要ですか
必要です。紹介された人も、依頼の前に名前で検索して確かめます。そのときに情報が出てこないと、紹介の効果が弱まります。
公開後は何を更新しますか
取扱分野のページを1つずつ足していくのが基本です。あわせて、登録番号や所属する会に変更があったら、その月のうちに直してください。
まとめ:士業のホームページは資格と取扱分野から決めて作ろう
士業のホームページで最初に決めるのは、デザインでも載せる項目でもありません。自分の資格で何が書けるかです。そのうえで取扱分野を絞ると、載せる項目も料金の出し方も決まります。
- 資格ごとに違う広告の決まりを、自分の会の指針で確かめる
- 結果を保証する表現と、他の事務所を下げる表現は使わない
- 取扱分野を3つまでに絞り、相談の種類ごとにページを分ける
- 顔写真と経歴で、どんな人が対応するかを伝える
- 初回相談の条件を書き、電話とフォームの入口を分ける
まず3ページで公開し、相談内容ごとのページを1つずつ足してください。最初から完成させようとするより、早く公開して増やすほうが結果が出ます。
公開したあと検索から見つけてもらう進め方は、士業のSEO対策の記事でまとめています。
士業のSEO対策とは?相談内容から始める集客のコツを徹底解説
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