AI導入を検討しても専任担当を置く余力はなく、それでも業務量は増え続けている。年商10〜100億円規模の中堅企業は、そんな中間の位置に立たされがちです。
大企業向けの全社標準化は人手も期間もかかりすぎ、汎用ツールを入れるだけでは現場で止まります。この中間の位置こそ、現場に入って業務を整理するFDE型の支援と噛み合うのです。
対象業務を1つに絞り、小さく始めて数字で確かめる進め方が現実的です。
\業務整理から現場定着まで伴走/
1. 中堅企業のAI導入で押さえたいFDEの基本

中堅企業がAIを取り入れるとき、まず整理しておきたいのが「自社がどの立ち位置にいるか」と「誰が現場に入って進めるか」です。ここでは規模の目安とFDEという役割から順に確認します。
1.1 中堅企業とはどの規模の会社を指すのか
中堅企業に明確な単一の定義はありません。ただし実務上は、年商10億〜1000億円程度、従業員100〜1000人規模の会社を指すことが多いです。
実際に、中堅企業の規模感については次のような声も見られます。
下の表は、中堅企業の位置づけをつかむための目安です。
この「中間」という性質が、後述するAI導入のつまずきに直結します。まずは自社がこの範囲に当てはまるかを確認してみてください。
1.2 FDE(Forward Deployed Engineer)とは
FDEは、顧客の現場に入り込み、要件整理から実装、定着までを一貫して担うエンジニアの職種です。データ分析企業のPalantir Technologiesで生まれた考え方とされています。
一般的な受託開発では、仕様を受け取って開発し、納品して終わることが少なくありません。FDEはそこにとどまらず、現場で何が起きているかを観察し、業務そのものを組み替えながらツールを合わせていきます。
つまり、導入後に「結局使われなかった」という事態を避けやすい進め方なのです。専任のエンジニアを社内に抱えられない企業ほど、この役割の価値は大きくなります。
1.3 中堅企業が大企業ともツール導入とも異なる立ち位置にある理由
中堅企業は、専任のAI担当を置く余力はないものの、自動化の効果が出るだけの業務量を抱えています。この「担当者は足りないが業務は多い」という中間の位置が、進め方の選択を難しくします。
大企業のように全社の標準化から始めると、期間も人手もかかりすぎます。かといって汎用ツールを入れるだけでは、自社の帳票やルールに合わせる部分が残り、現場で止まりがちです。
だからこそ、現場に入って業務を整理し、対象を絞って小さく始めるFDE型の支援が現実的な選択肢になります。次章から、その理由を具体的に見ていきます。
2. FDE型の支援が中堅企業と噛み合う理由
ここからは、FDE型の支援がなぜ中堅企業に適するのかを掘り下げます。専任担当がいなくても進む仕組みと、実際の手順を順に見ていきます。
2.1 現場に入り業務整理から担うため専任担当がいなくても進む
FDE型の支援が中堅企業と噛み合う最大の理由は、支援側が現場に入り、業務を整理するところから担う点にあります。社内に専任担当を置かなくても、導入が前に進むのです。
FDEという職種については、SNS上でも次のような説明が見られます。
進め方の要点は、次の2つに集約されます。
- 現場の業務を観察し整理する役割を支援側が担うこと
- 対象業務を1つに絞り、小さく始めること
こうした伴走型の進め方は、FDE型の支援に共通します。対象を1つに絞れば、業務を止めずに着手でき、効果を見ながら次へ広げられます。
2.2 現場理解から本番導入まで一貫して進める手順
FDE型の支援は、思いつきでツールを入れるのではなく、決まった手順で段階を踏みます。プロパゲートでは、次の6段階で進めています。
- 現場に入り、業務の流れと課題を理解する
- 業務を構造化し、手順やデータを整理する
- AIと人の役割分担を設計する
- 実データを使って試作し、動きを検証する
- 本番環境へ導入し、現場で運用を始める
- 数字で効果を確かめ、継続的に改善する
各段階で立ち止まって確認できるので、想定と違えば前の段階に戻せます。小さく試してから広げる進め方は、業務を止めにくい中堅企業に向いています。
3. AI導入の効果が出やすい業務の見つけ方

限られた体制で成果を出すには、最初に選ぶ業務が重要です。効果の出やすい業務の共通点と、情報が分散した業務の見直し方を解説します。
3.1 効果が出やすい業務に共通する3つの特徴
効果が出やすい業務には、はっきりした共通点があります。やみくもに広げるより、これらに当てはまる業務から着手するほうが、少ない労力で成果を得やすくなります。
- 件数が多く、手順が繰り返される業務
- 複数のツールに情報が分散している業務
- 特定の担当者しか分からない、属人化した業務
これら3つは、自動化や整理の余地が大きい業務です。自社の日常業務を思い浮かべ、当てはまるものがないか確認することが、最初の一歩になります。
3.2 複数のツールに情報が分散している業務の見直し方
複数のツールに情報が散らばっている業務は、見直しの効果が出やすい代表例です。担当者が確認のために画面を行き来する時間が、そのまま削減の対象になるからです。
たとえばプロパゲートの営業AIデスクでは、確認先が9つのツールに分散していた状態を、1つの画面へ集約した例があります。情報を探す手間が減れば、確認そのものにかかる時間を短縮できます。
分散の実態が見えると、どこを1つにまとめるべきかが判断しやすくなります。業務可視化とは何かも見直しの参考になります。
4. 情報システム部門がない場合のAI導入の進め方
専門部署がなくても、AI導入は進められます。鍵になるのは、窓口と主導者を決めることと、兼任でも回せる関わり方の設計です。
4.1 誰が窓口になり誰が主導するかを決める
情報システム部門がない場合、最初に決めるべきは「誰が窓口になるか」です。支援側とやり取りする窓口役が定まらないと、判断のたびに話が止まってしまいます。
窓口役は、対象業務を最もよく知る現場の担当者が向いています。一方で、費用や優先順位といった判断は経営が主導するのが自然です。現場が実態を、経営が意思決定を担う切り分けが、迷いを減らします。
役割を先に決めておけば、兼任であっても議論が前に進みます。
4.2 兼任でも無理なく進められる関わり方の目安
兼任の担当者でも、関わり方を絞れば無理なく進められます。すべての工程に張り付くのではなく、判断が必要な場面に限って関わるのが現実的です。
無理なく回すための目安は、次のとおりです。
- 窓口役を1名に決める
- 定例の打合せは隔週・30分程度を目安にする
- 判断が必要な論点だけ経営が加わる
こうした関わり方なら、本業を大きく圧迫せずに導入を進められます。業務の整理や試作といった手間のかかる部分は支援側が担うため、社内の負担は判断と確認が中心になります。
5. 中堅企業がAI導入でつまずきやすい理由

中堅企業のAI導入は、技術そのものより体制の問題でつまずきやすい傾向があります。推進する人材と、業務を止められない事情の両面から整理します。
5.1 情報システム部門が少人数か兼任で進める余力が乏しい
中堅企業のつまずきの多くは、推進体制の薄さから生まれます。情報システムを担う人が少人数、あるいは他業務との兼任で、新しい取り組みに割ける時間が確保しにくいためです。
IPAの「DX動向2025」でも、企業規模によって推進体制やデジタル人材の確保に差があることが示されています。人材が潤沢な大企業と、外部委託が前提の小規模企業のはざまで、中堅企業は自前でも外注でも進めにくい状況に置かれがちです。
この状態を放置すると、検討だけが続いて着手に至りません。まずは「誰が時間を割くのか」を決めることが出発点になります。詳しくはIPA「DX動向2025」(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2025.html )も参考になります。
5.2 業務を止めにくい一方で自動化の効果が見込める規模にある
中堅企業は、業務を一度止めて移行する余力が乏しい反面、自動化すれば効果が出るだけの業務量を抱えています。この矛盾が、導入を実証段階で止めてしまう一因です。
つまずきやすいポイントは、次の3点に整理できます。
- 業務を止めて移行する余力の乏しさ
- 自動化の効果が見込める業務量
- 実証段階で止まりやすいこと
これらは互いに絡み合っています。効果が見込めるのに動けない状態を抜け出すには、業務全体ではなく、影響の小さい対象から着手する発想が欠かせません。
6. 中堅企業が大企業向けのツール導入だけが合わない理由

なぜ既存の進め方では中堅企業に合いにくいのか。全社標準化と汎用ツール導入という2つの典型を取り上げ、最後に比較で整理します。
6.1 全社標準化から始める進め方が負担になりやすい点
大企業でよく採られる「全社の標準化から始める」進め方は、中堅企業には負担が大きくなりがちです。対象が全社に及ぶほど、合意形成にも整備にも時間がかかるためです。
負担が膨らむ理由は、次のように整理できます。
- 対象範囲が全社に広がること
- 部門間の合意形成に必要な期間の長さ
- 標準化を主導する専任人材の不足
こうした負担を避けるには、全社ではなく対象業務を絞って始めるほうが噛み合います。標準化の考え方については標準化とは何かも参考になります。
6.2 汎用ツールの導入だけでは現場で止まりやすい点
汎用的なAIツールを導入するだけでは、現場で運用が止まりやすくなります。ツールは汎用でも、自社の帳票様式や業務ルールに合わせる作業が必ず残るためです。
その調整を担う人が社内にいないと、初期設定のまま使われなくなり、結局は手作業に戻ります。ツールが悪いのではなく、自社に合わせる工程が抜け落ちていることが原因です。
導入したのに使われない状態が続くなら、原因は運用設計にある場合が多いといえます。AIが使われない原因もあわせてご確認ください。
6.3 進め方ごとの向き不向きを整理した比較
進め方によって、対象範囲も必要な人手も大きく変わります。下の表は、代表的な3つの進め方を中堅企業の視点で比較したものです。
自社の体制と照らし合わせ、どの進め方なら無理なく続けられるかを判断してみてください。
7. プロパゲートAIデスクによる中堅企業のAI導入支援

ここまでの内容を踏まえ、プロパゲートAIデスクがどのような企業に向き、どう支援するのかを紹介します。
7.1 どのような悩みを抱える企業に向いているか
プロパゲートAIデスクは、日々の確認や管理に追われ、専任担当を置けない企業に向いています。次のような悩みを抱える中堅企業と特に相性が良いといえます。
- 確認・管理の業務が増え続けている
- 同じ情報を複数のツールに何度も入力している
- 業務が特定の担当者に属人化している
こうした状態は、放っておくほど負担が重くなりがちです。心当たりが複数あるなら、どこから手を付けるかを一緒に整理する段階に来ているといえます。
7.2 現場に伴走するFDE型の支援としての特徴
プロパゲートAIデスクの特徴は、既存ツールを活かしながら、業務整理から開発、現場定着までを一貫して担う点にあります。ExcelやSalesforce、kintoneといった今使っているツールとAIを連携させ、入力や転記、集計、報告といった定型業務を自動化します。
たとえばホテル客室清掃のRYUCHOでは、年間で約3,000万円・約5人分に相当する管理工数を削減し、現場の入力を2タップに収めた例があります。仕組みを外部に委ねられるため、専任担当を置けない企業でも運用を続けやすくなります。
現場に入って業務を整理するところから任せられるので、本業の合間に無理な設定作業を抱え込む必要がありません。サービスの詳細はプロパゲートAIデスクの詳細ページでも確認できます。
7.3 専任を置かずに始める予算と体制の考え方
専任を置かずに始める場合、費用は「小さく始めて効果を確かめる」発想で考えると無理がありません。全社に広げてから判断するのではなく、絞った業務で成果を見てから広げる順序です。
費用の目安としては、初期100万円〜・月額29.8万円〜が一つの水準で、無料相談は0円です。月額の支援には内製化支援が含まれ、運用を段階的に社内へ移していく道筋を描けます。最新の料金や含まれる支援の範囲はプロパゲートAIデスクのサービスページでご確認ください。
具体的な金額や進め方は、無料相談で状況に応じて確認するのが確実です。費用の考え方はFDEの費用相場も参考になります。
社内へ移す過程を支援に含めておけば、支援が終わった後も運用が止まりません。内製化の進め方は内製化とは何かで整理しています。
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8. FDE型のAI導入に関するよくある質問
最後に、中堅企業からよく寄せられる質問に答えます。導入体制や対象規模、部門単位での依頼可否について整理します。
8.1 情報システム部門がなくても中堅企業でAI導入を進められますか?
進められます。FDE型の支援は、支援側が現場に入り、業務を整理するところから担うためです。
社内に専任のエンジニアや情報システム部門がなくても、窓口役を1名決めておけば導入は前に進みます。業務の整理や試作、定着までの手間のかかる工程は支援側が引き受けるため、社内の負担は判断と確認が中心になります。
まずは対象を1つに絞り、小さく始めることが、体制の薄さを補う近道です。
8.2 どれくらいの規模の業務からFDE型支援の効果が出やすいですか?
規模の大小より、業務の性質で選ぶと効果が出やすくなります。判断の軸は、次の3つです。
- 件数が多く、繰り返しの多い業務
- 情報が複数のツールに分散している業務
- 特定の担当者しか分からない業務
これらに当てはまる業務は、少ない労力でも改善が見えやすい対象です。大きな業務を一度に狙うより、こうした条件に合う業務から着手するほうが、効果を確かめながら広げられます。
8.3 全社ではなく1つの部門だけでもAI導入を依頼できますか?
依頼できます。FDE型の支援は、対象業務を1つに絞って小さく始める進め方を基本としているためです。
全社をまとめて変えようとすると、期間も人手もかかりすぎます。特定の部門や、1つの業務からでも着手でき、そこで得た成果を見てから次の部門へ広げられます。
まず効果の出やすい業務を1つ選ぶことが、部門単位で無理なく始めるコツです。
9. まとめ:中堅企業のAI導入は対象業務を1つに絞って始めよう
中堅企業は、専任担当を置けない一方で業務量は多いという中間の位置にあります。大企業向けの全社標準化も、汎用ツールの導入だけも、そのままでは噛み合いません。
現場に入って業務を整理し、対象を1つに絞って小さく始めるFDE型の支援なら、専任がいなくても導入を進められます。件数が多い業務や情報が分散した業務から着手し、数字で効果を確かめながら広げていくのが現実的です。
まずは自社のどの業務から始められるかを整理し、迷う場合は無料相談で現状を棚卸しするところから動き出してみてください。
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